奈良の10月といえば「鹿の角きり」どんな行事?
江戸時代から長く続く奈良の鹿の角きり、その雰囲気をまず動画でチェックしてから詳しいお話も見ていきたいと思います。
【奈良】 秋の伝統行事 鹿の角きり / Traditional ritual to cut the horn of deer in Nara japan
奈良の鹿は「神様の使い」として大切にされているのですが、その鹿の角を人間の手によって切り落とす行事が「鹿の角きり」です。
動画の通り鹿を捕まえて角を切り落とすという勇壮な行事となっていて、これを見るために毎年たくさんの見物客も訪れています。
もちろん地元の方でも毎年鹿の角きりを楽しみにしている方は多く、奈良の秋の行事としてもとても人気があります。
そんな奈良の鹿の角きりについて今年はまだ詳細な日程が出ていませんが、毎年の定番として以下のスケジュールのつもりでいておきましょう!
開催日時:2023年10月7日(土)・8日(日)・9日(月・祝) 11:45~15:00(開場11:15 最終入場14:30)
場所:春日大社境内 鹿苑角きり場(奈良公園内)
観覧料(当日券のみ):大人(中学生以上)1,000円、こども(小学生)500円
※ 愛護会会員・同伴者1名様まで無料
※ 障がい者手帳をお持ちの方・付添1名様まで半額
※このイベントの収益は「奈良のシカ」の保護活動に活用されます。
注意事項
小雨決行・荒天中止
完全入れ替え制です
全て立見席です
場内バリアフリーではありません
ペット同伴でのご入場はお断りしております
三脚の使用は禁止しております
備考
駐車場はございません。(近隣に有料駐車場有り)
電車/JR・近鉄奈良駅からバス「春日大社表参道」下車、徒歩約7分
「鹿の角きり」を見学する場合は全て立ち見となります。
会場の周辺の設けられたスペースからの見学となるので、ペットの同伴の参加や写真撮影のための三脚を使うことなども出来ないことにご注意ください。
一般財団法人奈良の鹿愛護会 公式HP:
「鹿の角きり」なぜ切るの?切る理由は?
奈良へ観光へ行った際に角を切られている鹿を見ることは多く、また毎年このような大掛かりな行事で切っていたことに驚かれた方も多いと思います。
鹿の角をなぜ切り落とすのかについては最初にお伝えしたとおり「安全対策」で、本来鹿の角は1年周期で生え変わるという特性があるんです。
放っておいても2~3月頃になると脱落するのですが、やはり成長してから半年ほどは立派な鹿の角を振り回すことになります。
また秋は鹿の発情期にもあたって気が荒い時期なので、うっかり挑発してしまうと人間への危害も心配です。
もちろん鹿同士の喧嘩による事故や怪我などの可能性もあるため、角が生え揃う秋頃に角を切り落とし、事故を防ぐ意味があるんですね。
傷つけないように 鹿の角切り 奈良公園・鹿苑
ですからもちろん見た目には勇壮で派手に鹿を追い込み角を切り落としているように見えますが、「鹿を傷つけてしまわないように」と、細心の注意をしながらの行事なんです。
具体的には会場内に誘い込んだ鹿をまず「勢子」と呼ばれる人物が追いかけ、角に縄をかけて捕まえます。
縄をしかけたらあとは鹿を寝かしつけ、興奮している鹿に水を与えてなだめてから神官がのこぎりでギコギコと切り落とします。
見た目にはハラハラするかもしれませんが、先程の通り鹿には絶対傷をつけないように注意されているので大丈夫です。
切り落とせば終わりとなり、神様の使いのものである鹿の角は大切に神前にお供えされることとなります。