「パーソナルトレーニングジム」はイメージが湧きやすいですが、「加圧トレーニング」と聞いて説明できる人は少ないでしょう。
実際筆者の中でもザックリとしたイメージしかなく、女性に人気のトレーニングで、腕や足にベルトを巻き、トレーニングジムと違うのは軽い負荷で筋トレをする。
その程度でした。
筆者はパーソナルトレーニングジム経験者なので、以前から興味のあった加圧トレーニングを実際に受けてみての違いや効果をレポートしてみたいと思います。
▼パーソナルトレーニングジムに通っていた時の記事は下記をご参照ください。
加圧トレーニングとは?
腕の付け根(上腕二頭筋の基部)や脚のつけ根(大腿部の基部)を専用のベルトで締めつけ、その人に合った圧で加圧し、血流量を適切に制限した状態で行うトレーニング法。
加圧トレーニングの理論
専用の加圧ベルトを巻いてトレーニングをすることで、成長ホルモンが大量に分泌されて痩せやすい体を作ることができます。
【加圧時】
ベルトで圧を掛けることにより血流を制限し、普段は使わない毛細血管にまで血液が流れるようになります。
軽い負荷で高い筋トレ効果。酸素不足になることで疲労物質の乳酸が溜まります。これを脳が感知すると成長ホルモンの分泌を促進します。
【除圧時】
乳酸などの代謝物が筋肉中に蓄積されトレーニング終了時にはピーク。重いウエイトを持ち上げるなどの高い負荷によるトレーニングを長時間したのと同じような状態に。
増加した成長ホルモンは体脂肪を燃焼分解し始め、2~3時間後には筋肉合成が始まります。
出典:KAATSU TRAINING JAPAN公式サイトより
加圧トレーニングの誕生
加圧トレーニングは、(株)サトウスポーツプラザ代表の佐藤義昭氏が発明したトレーニング方法。
発明者である佐藤義昭氏が1966年法事の席で長時間正座をしていて、思いつく。「トレーニングをしている時も正座をしている時も、血行が悪くなっている。 ということは、血流を悪くすれば、人工的にハードなトレーニングをした状態を作り出せるのではないか」から加圧トレーニングは誕生します。
45年以上の歳月をかけ試行錯誤と研究の結果、現在の加圧トレーニングが生まれました。
加圧トレーニングの5大効果!!
加圧トレーニングを行うと増大する成長ホルモンによって、太りにくい体になります。またトレーニングによって筋肉が増えると、脂肪が燃焼しやすい体になります。
加圧と除圧を繰り返すことで、血管に弾力が蘇ります。血行がよくなり血流量も多くなるので、新陳代謝が活発になります。冷え性や肩こりなどの不調が改善します。
加圧トレーニングを行うと骨折や肉離れ、ねんざなどのケガの回復が早くなるという研究データがあります。成長ホルモンによって、筋肉や人体の修復が早まると考えられています。
軽い負担で高い効果が得られるので、トレーニングを続けやすいのが特徴です。さらにケガなどもしにくいので、老若男女だれでも実践できます。
加圧トレーニングをすると通常の約290倍もの成長ホルモンが分泌されたという研究結果が出ています。成長ホルモンは、肌のハリやツヤを取り戻し、脂肪のつきにくい体にしてくれます。
加圧パーソナルトレーニングの内容
今回利用した加圧トレーニングジムの特徴は
- 1対1のパーソナルトレーニング
- 加圧トレーニング
- TRXトレーニング
自分の目的や体調に合わせたトレーニングメニューを構成。ただ痩せるだけではなく、体幹や筋肉を鍛えて、健康的な体づくりを意識したトレーニングメニューです。
体幹を鍛える事により、ダイエット目的だけではなくゴルフヤテニスなどスポーツをする人の筋力向上にも最適です。
実際のトレーニングメニューと器具
- 重りを使ったウエイトトレーニング
- 体幹トレーニング
- バランストレーニング
- HIIT(高強度インターバルトレーニング)
- TRXトレーニング
使用するものは鍛える場所や内容によりトレーナーが決めます。
トレーニング内容が豊富なので飽きることもありません。体幹トレーニングだけでも何パターンもあり、腹筋を鍛えるのも道具を使用する・使用しないなど、種類は豊富です。
TRXって聞きなれないけどどんなことするの?
ウエイト、体幹、バランスのトレーニングは、通常のパーソナルトレーニングやトレーニングジムでやる内容と似たものが多いため、イメージが付きやすいと思います。
そこで今回は、聞きなれない珍しいTRXについて紹介しています。
TRXってなに?
米国海軍特殊部隊(NAVY SEAL)が開発したTRXサスペンショントレーニングで軍隊やトップアスリートだけでなく、すべての人(年齢や性別を問わず)に応用できるトレーニング。
TRXサスペンショントレーニング(自分の体重と重力を負荷として利用するトレーニングシステム)は、筋力、パワー、持久力、可動性、耐久性、バランス、柔軟性、コアスタビリティを同時に鍛えます。
現在、TRXは、北米の殆どのプロ野球、アメリカンフットボール、バスケットボール、ホッケー、サッカーチームや、世界中のチームスポーツのトレーニング施設で利用されたり、米軍の全施設で使われています。
まだ日本では導入されているところは少なく、スポーツジムやヨガ・ピラティス以外にも接骨院やスポーツ専門学校、医療や福祉施設にも導入され、デイサービス施設・介護予防教室でエクササイズプログラムとして利用もされています。
TRXのトレーニングは初心者でも大丈夫?
筆者はウエイトなどの筋トレをするパーソナルトレーニングの経験はありますが、TRXを使用したトレーニングは完全な初心者で、使い方も何をするのかも知らないド素人です。
体幹のない筆者は、TRXのサスペンショントレーニング(紐を使用したトレーニング)が10秒も同じ体制を持続できない。3回も同じことが出来ない程でした。
動画に出てくる動きは、実際に筆者もやっています↓
こんなアクロバティックのような中国雑技団のようなこと、紐につるされて出来るわけがない!と思いトレーナーにも呟きました。
案の定出来るわけもなく・・・
ただトレーニングを重ねていき、体幹や腹筋が少しずつついてくると1回2回とできるようになってくるのです。見た目では体幹や腹筋って分かりづらいですよね。
でもTRXのトレーニングで自分の体幹や腹筋がついてきていること、お腹に効いている!など実感してくるのです。
TRXにはリップトレーニングもある
TRXはサスペンショントレーニングだけでなく「リップトレーニング」というのもあります。
リップトレーニングは、重さ約2kgのバーとゴムチューブを使用した回旋の力を利用したトレーニング。
回旋力はもちろん瞬発力や心肺機能の向上に役立つトレーニングのためゴルフ、野球、テニスなど、スイング動作を伴うスポーツのパフォーマンス向上に最適です。
見ている感じでは「簡単そう!楽そう!」って思うのですが、実際やってみるとこのトレーニングが1番きついです!!
全身を使い、ゴムの強度で一緒に引っ張られてしまい自分の意志に反して戻されてしまうため、ブレないよう体幹の安定性が必要になってきます。
地味にきついトレーニングです。ただ腹筋には、かなり効きます。
トレーナーいわく腹筋縦線がこのトレーニングでできるそう。
実際トレーニングしてみての効果は?
自宅にある体重計で測定してみました。
測定したのは加圧トレーニングに通いだした初日。以降、最低週1回まれに週2回のペースで通い、3か月後・合計20回目のトレーニング後に測定してみました。
自宅の体重計で測定できるものは下記7項目。
- 体重
- 体脂肪率
体内に蓄積された脂肪のことを体脂肪といいます。体脂肪の量が体重に占める割合を体脂肪率といい、体脂肪率(%)=体脂肪量(kg)÷体重(kg)×100で計算できます。 - 体水分率
体内に含まれる水分の事で、血液、リンパ液、細胞外液、細胞内液などをいいます。体水分率は体重に占める体水分量の割合のことです。
体水分率は女性よりも男性の方が高い傾向にあり、加齢とともに減少する傾向が見られます。 - 筋肉量
体の筋肉の総量。筋肉量の多い人のほうが、より多くのエネルギーを消費するため、基礎代謝量は高くなります。 - 推定骨量
骨の中に含まれるミネラルの量。骨の中に含まれるミネラルの主成分はカルシウムです。標準値は一般的には体重の約4%といわれています。 - 基礎代謝量
生命を維持するために消費されるエネルギー。体温調整や呼吸、心臓を動かすなどが該当します。基礎代謝が高いほど、太りにくい体といえます。 - 内臓脂肪レベル
年齢、体重、身長などから内臓脂肪の面積を計算をして出る数値。レベルの数値が小さいほど内臓脂肪が少ないといえます。
では1つずつ見ていきましょう。
【体重】
1日目:50.35㎏→→3ヶ月後:48.70㎏
【体脂肪率】
1日目:26.80%→→3ヶ月後:20.90%
【体水分率】
1日目:47.60%→→3ヶ月後:51.40%
【筋肉量】
1日目:19.30㎏→→3ヶ月後:20.40㎏
【推定骨量】
1日目:2.00㎏→→3ヶ月後:2.10㎏
【基礎代謝量】
1日目:1051㎉→→3ヶ月後:1134㎉
【内臓脂肪レベル】
1日目:4.00→→3ヶ月後:3.50
結果をまとめると
体重 | -1.65㎏ |
体脂肪率 | -5.9% |
体水分率 | +3.8% |
筋肉量 | +1.1㎏ |
推定骨量 | +0.1㎏ |
基礎代謝量 | +83㎉ |
内臓脂肪レベル | -0.5 |
体脂肪や内臓脂肪など減らしたい項目は減らせ、痩せやすい体質つくりのために筋肉量や基礎代謝量などプラスにしたい項目は増やせたという良い結果がでました。
食事制限はもちろん糖質制限やアルコールはダメなどの制限等は無く、食事は好きなものを摂っていました。間食はアイスクリームやスナック菓子も毎日ではありませんが、たまに食べていました。
まとめ
加圧トレーニングは見た目は簡単そうに軽々やっているので、とてもラクそうに見える…だけ!キツイのはトレーニングジムと変わりません。
ただ重すぎるウエイトの負荷でなく、通常だと軽い程度のウエイトの負荷で十分な効果が出るため、重いものが持てない女性には最適です。筋肉質でムキムキな身体は嫌!女性らしいボディメイクを目指している。そんな方に向いています。
加圧トレーニングは成長ホルモンが活性化するので美容にも繋がり、女性には嬉しい点が多いトレーニング法です。
筆者の場合、血流がよくなり新陳代謝もよくなったおかげと定期的な運動も相まって、万年肩こりが改善されぐっすりと眠れるようになったことが嬉しかったことです。
加圧ジムで習ったトレーニングとは、ジムのように負荷をかけることは出来ないにしても、自宅で簡単に真似できるトレーニングばかり。通えない間も自主トレでき、加圧トレーニングはオススメなトレーニング法でした。