十六団子は何をする日?由来・いつからはじまったの?
十六団子は最初にお話した通り毎年3月16日に行う伝統行事であり、16個の小さな団子をお供えする日となっています。
日本では古くから山には神様が住んでいるという風習があり、神様が3月16日に「農神おろし(田の神おろし)」という、山から種子を抱いて里におりてくるから団子をお供えするという理由があります。
つまり十六団子とは「里におりてきた神様をおもてなしするための団子を用意し、今年の豊作を祈願する」という意味があるんですね。
十六団子は東北や北陸地方を中心に広まっている行事ですが、お祝いの方法や当日の行動などは地域ごとに様々な風習があります。
また昔は「餅つきをする音によって神様を呼ぶ」という意味合いもあったそうですが、現在ではほとんど米粉や上新粉などで作るお団子が主流となっていますね。
お住いの地域によっては恵比寿様や大黒様に十六団子をお供えする場合もありますが、現在としては行事のひとつとしてお供えし、そのまま家族そろって食べるのが一般的になっています。
十六団子の読み方は?「じゅうろうだんご?」「じゅうろくだんご」
十六団子と書かれてあると普通に「じゅうろくだんご」と読んでしまいますが、昔からの正しい読み方は「じゅうろうだんご」なんだそうです。
またもちろん地域によって違う読み方があったり、世代によって変わってきている場合もありますが、「どちらでも正解であり問題ない」というのが答えです。
大切なのは行動や気持ちであり、読み方にこだわる意味などは最初からないのかもしれませんね。
またなぜ16の団子を用意するのかについてですが、これについては和菓子の歴史も重ねて見る必要があります。
日本では古く……室町時代頃に「嘉定喰い(かじょうぐい)」という風習があり、これは6月16日に16個のお餅を無言で食べて無病息災を祈願するというものでした。
江戸時代になるとこの風習が少し変化し、「16文で購入したお菓子を笑わずに食べきると病にかからず元気でいれる」というものになっていったんです。
そしてこの風習に習って悪疫を追い払うために賀茂神社へ16個の和菓子を祀った、これが現代にも続く十六団子の風習へとつながっています。
現在も6月16日は「和菓子の日」であり、16という数字と和菓子……つまりお団子も、長い歴史によって繋がっているのですね。