重要無形文化財「上野天神祭」どんなお祭り?
江戸時代より続く上野天神祭は2002年に国指定重要無形民俗文化財に指定され、ま2016年にはユネスコ無形文化遺産に「山・鉾・屋台行事」33件の一つとして登録されました。
お祭りというとにぎやかで楽しい華やかなイメージですが、上野天神祭は子どもにとってはちょっと怖いお祭りかもしれません。
その理由とは?
上野天神祭の歴史と概要
上野天神祭は1585年に筒井定次が伊賀の領主となり、菅原神社をお祀りしたことが起源だとされています。
その後、一時倹約令などにより中断していたものの、1688年には再開し、おおよそ現在の形が完成されました。
実際のお祭りのスケジュールはこちらです!
令和5年/2023年「鬼・だんじり行事」日程 ※平成29年から曜日に合わせた日程に変更
10月20日(金)宵々山
10月21日(土)足揃えの儀・宵山
10月22日(日)神幸祭
上野天神祭の概要
金曜日 宵々山 2023年10月20日 / 2024年10月18日
午前10時30分から、だんじり会館に展示されていた3基のだんじりが曳き出され自町に帰り展示されます。他町のだんじりも、昼すぎには楼車蔵から曳き出され、9基のだんじりが城下町の本町筋・二之町筋の各町に展示されます。
夕刻にはだんじりに飾られた、雪洞・提灯に灯がともされ、祇園囃子が奏でられ、お祭り気分を盛りあげます。午後9時ころ各だんじりは楼車蔵へ収納されます。
10:30 上野西町、上野鍛冶町、上野福居町の「だんじり」3基が会館搬出、自町へ曳行
13:00 飾り付けられた「だんじり」9基を展示
19:00 宵山点灯展示
21:00 入庫
土曜日 足揃えの儀・宵山 2023年10月21日 / 2024年10月19日
午後2時から4時まで、鬼行列がほら貝と太鼓の音とともに三之町筋を練り歩きます。大御幣や悪鬼そして伊賀流忍者の元祖といわれる役行者が登場します。ひょろつき鬼が続き、最後に鬼たちを従えた鎮西八郎為朝が現れます。午後の三之町筋は比較的ゆっくり見物でき、観光客にとって絶好の穴場です。
だんじり昼の巡行は、午後1時から4時ころまで行われ、本町筋の4基は連なって巡行、二之町筋4基 新町の1基は自町と銀座通りなどを曳行されます。
夕刻の午後6時からは、ローソクの明かりがともった提灯を揺らしながら、だんじり4基が本町通の西に集結し、連なって東へ巡行 上野天神宮前へと向かうさまは壮観です。二之町筋4基 新町の1基も自町巡行と共に人混みの銀座通りを、提灯を揺らしながら曳行されます。銀座通り交差点付近は宵山巡行のだんじりが行き交い見どころポイントです。 明日の神幸祭(本祭り)へ向け 午後9時にだんじり蔵へ収納されます。
10:00~「だんじり」9基 町筋出陳
13:00~16:00「だんじり」本町通 二之町筋 新町通 銀座通 巡行
14:00~15:50 鬼行列が大御幣を先頭に 三之町通りを相生町から徳居町まで東から西へ練行
18:00~20:30 宵山点灯展示・巡行
21:00 蔵入れ
日曜日 神幸祭(本祭の巡行) 2023年10月22日/ 2024年10月20日
神幸祭の行列は、午前9時ころ、城下町の東端『東の御旅所』(上野車坂町)から出発します。
神輿行列を先頭に、鬼行列、9基のだんじりが続きます。菅原神社の神輿行列が巡行されるのに続き、大御幣を先頭にほら貝と太鼓の音とともに鬼行列が続きます。堂々とした足運びの鬼や、ひょろつき鬼が子どもを泣かせたりする場面は昔からの習わしです。
続くだんじ行列のお囃子は祇園囃子が中心ですが、それぞれの町で独自の曲も奏でます。江戸の文化を反映し贅を尽くした幕と共に、ご堪能ください。わずかな方向修正は梃子(テコ)にて行いますが 十字路での方向転換はだんじり下部にある、方向万力を使い、ぐるりと回す、見せ場が続きます。
行列は午前・午後と一日かけて伊賀上野の城下町を巡り、400年の歴史を十二分に感じさせてくれます。
6:20~楼車9基・鬼行列 車坂町へ集結
8:30~東の御旅所にて発興祭執行
8:45~行列編成・発興
9:10~神輿行列・鬼行列・楼車行列 出発、本町通り西進
10:45~本部前 籤改め
11:40~午前の部 終了 休憩
13:30~午後の部 出発
16:00~徳居町にて鬼行列・4番~9番 楼車 解散し自町帰還
16:30 1番・2番・3番 ハイトピア前待機
16:42~17:01 上野市駅踏切 1番・2番・3番楼車、横断
17:30 だんじり会館搬入
例年、約20万人の人が訪れるこのお祭りです。
本祭がやはり一番の見所ではありますが、だんじりや鬼たちをじっくり見たいという方はぜひ宵山にもご参加ください。
夜のだんじりは灯りがともされ、とてもきれいでおすすめです。
公共交通機関:JR関西本線「伊賀上野」駅で伊賀鉄道に乗り換え、伊賀鉄道「上野市」駅で下車。近鉄大阪線「伊賀神戸」駅で伊賀鉄道乗り換え、伊賀鉄道「上野市」駅で下車。
車:名阪国道「中瀬」I.C.または「上野」I.C.で降りて市中心部(祭開催地域)まで約10分。
高速バス(三重交通)各都市から直通バスが運行されています。
上野天神祭り 公式HP:
鬼行列といえば、子供が泣き出す鬼行列!
鬼は悪者というイメージも強く、歴史に描かれている鬼は特に見た目からして怖いですよね!そんな鬼たちが行列を作るなんて、子どもにとっては恐怖でしかありません。
そんな鬼行列とはどのような行列なのでしょうか?
鬼行列とは?
上野天神祭が始まった当初よりあった鬼行列は呪術者とされる役行者が山へ鬼たちを入山させた説話や鬼ヶ島の鬼退治後の凱旋したという説話が再現され、いずれにしても鬼を退治し、悪いものを撤退させるということに目的があるようです。
各町の鬼行列はほら貝の音から始まります。
まず目につくのは重さ120㎏、高さ5mの巨大な大御幣。
5人の男性に支えられ登場します。
日本一の大きさとも言われる大御幣の絶妙なバランスにご注目ください。
その後、続いて行くのが鬼や役行者たちです。
たくさんの鬼があります。
強面の悪鬼やちょっと小さな子鬼たち、かわいらしい面なしの子鬼たちもいます。
武将の鎮西八郎為朝でさえも面をかぶっているので少し怖いです。
この中で注目してもらいたのはひょろつき鬼です。
笈持・釣鐘・斧山伏の鬼たちが左右へひょろつきながら進んでいきます。強面ですが少し愛らしいですよ。
ひょろつきの理由は旅疲れや酔っ払いという説があり、ひょろつき鬼に泣かされた子供は1年の無病息災という言い伝えがありますのでお子様連れの方はぜひ近づいてくださいね!
上野天神祭 足揃の儀(鬼行列)三之町筋 上野紺屋町付近 2016