福島県の風物詩「松明あかし」とはどんな行事なの?
松明あかしとは一体どんなお祭りなのでしょうか。
お祭りの概要や混雑情報なども見ていきます。
松明あかしはこんなお祭り
福島県須賀川市で毎年11月の第2土曜日に行われます。
その歴史は長く、420年以上にもなります。
このお祭りに使用される松明は10月中に参加するそれぞれの団体や学校で手作りされます。
当日は1.5kmの道のりを人力だけで運び、会場の五老山に着くと松明を全員の力を合わせて立てます。
それぞれの松明の代表が命綱1本だけを頼りに松明を登り、点火します。
毎年約30本の松明に火がつき燃え盛る様子は、大迫力で息をのむ程です。
平成元年には松明あかしが400年を迎えたことを記念し、伝統行事を盛り上げる為『松明太鼓』が作られ平成1年11月11日11時11分11秒に太鼓の第一打が打ちならされました。
毎年松明あかしが近づいてくると、町中に松明太鼓の練習の音が響いてきます。
燃え盛る松明の音と、勇壮な松明太鼓の共鳴が歴史の風景を表しているようです。
混雑状況は?
毎年11万人程の人が訪れますので、会場の五老山は大変混雑します。
特に屋台が並ぶ場所は歩くのが困難なくらいです。
しかし、松明を運んでいる時の沿道は、身動きが取れない程混雑はしません。
運んでいる時も、迫力があり見応え充分ですので、ぜひ運んでいる間も見ながら、一緒に五老山に向かってほしいところです。
会場内でも、入り口から向かって左側は混雑しますが、右側は比較的広いスペースがあるため、混雑を避けたい人は入り口から右側に行くと、ゆったり見られるのでおすすめです。
また、松明を運ぶ「松明通り」には、円谷英二監督生誕の地としてたくさんのウルトラヒーローや怪獣たちのモニュメント11体の祭り体や、シルエットが描かれています。
夜はライトアップされて、とても綺麗です。探してみてくださいね!
福島県民にとって大切なお祭り
松明あかしは須賀川城を守るために戦った人たちの鎮魂のためにはじまったお祭りです。
東日本大震災の年は松明を作るための地元産の竹やカヤからは放射能が検出されたため、松明が作れない事態に陥ってしまいます。
しかし、支援の呼びかけをして材料を全国各地から集め、松明を作ったそうです。
その背景には、震災で亡くなった方の慰霊や復興の強い願いを込めて、お祭りを開催したいという熱い思いがあったからです。
こうして、何があっても絶やしてはいけないという福島の人の強い想いから、400年以上松明あかしが受け継がれているのです。
2023年の開催概要
前夜祭:2023年11月10日(金曜日)
18時00分~19時00分
岩瀬八幡神社
慰霊会開催、かがり火設置、小松明行列
開催日:令和5年11月11日(土曜日) 18時30分 点火予定
会場:五老山山頂(翠ヶ丘公園内)
時間 | 会場 | 備考 |
---|---|---|
11時00分~ | 翠ヶ丘公園芝生広場 | 飲食コーナー |
13時00分~16時00分 | tette | 小松明製作コーナー 注:製作後、小松明行列に参加できます。 |
13時00分~16時00分 | 松明通り 須賀川信用金庫本店(駐車場) | 甲冑を着た武者との記念撮影 戦国鍋(豚汁)ふるまい※なくなり次第終了 農産物の販売キッチンカー出店 松明あかし史跡・古戦場ウォーク集合場所(15時15分) |
13時30分~14時10分 | 松明通り吉田医院前 | 松明披露 |
14時00分 | 松明通り宮先町付近 | 須賀川第一中学校製作松明出発 |
15時00分 | 松明通り吉田医院前 | 「松明をもりたてる会」製作松明出発 |
16時00分 | 翠ヶ丘公園芝生広場等 | 芝生広場・宮の辻~翠ヶ丘公園の歩道にLEDライト等を設置 |
17時15分~17時30分 | 二階堂神社 | 御神火奉受式(松明につける御神火を受け取ります) |
17時00分~(予定) | 妙見児童公園 | 団体小松明行列出発 |
17時30分~18時15分 | 見晴橋駐車場 | 一般小松明行列出発 小松明製作コーナーで作った小松明でご参加ください |
18時00分~19時45分 | 五老山特設ステージ | 松明太鼓披露(1.部、2.部構成) |
18時30分 | 五老山 | 順次 姫松明と約20本の本松明に点火 |
車:東北自動車道須賀川I.Cから10分(当日は、市内臨時駐車場があります。)
公共交通機関:JR東北本線須賀川駅から車10分。
須賀川市公式サイト:
「松明あかし」といえば巨大松明!どれぐらいの大きさ?
松明は大松明、本松明、姫松明の3種類で、約30本もの巨大な松明が用意されます。
一番大きい大松明は高さ10m、重さ3トンにもなります。
こんなに大きな松明、一体どうやって作って、点火しているのでしょうか。
巨大松明の作り方
松明は10月に入るとそれぞれの松明ごとに集まって作ります。
まず竹で骨組みを作り、その中に乾燥させたカヤを詰めます。
その表面を畳おもてで包みます。
大松明になると、カヤは2トントラック1.5台分の量にもなります。
この松明の作成には5日間もかかるそうです。
約30本の巨大松明は、1本1時間近くかけて人力や担ぎ棒を使って五老山にそびえ立ちます。
1本が直立するたびに観客から大歓声と拍手が沸き上がり会場は1つになっていくのです。
点火方法
松明につける火は、二階堂神社で奉受された御神火です。
松明の着火部分には灯油に浸した布などが詰められています。
各松明の代表1名が、1本の命綱と松明を縛っている縄のみを頼りに松明のてっぺんまでよじ登って御神火を点火します。
周囲の燃え盛る松明の中、まるで火の中に飛び込んでいくかのように見えます。
そして松明点火に合わせて松明太鼓が一層の盛り上がりを見せ、雰囲気を醸し出します。
全ての松明に火が灯ると、辺りは夜にも関わらず炎の赤々とした光に包まれます。
松明に点火する役割はとても名誉なことですが、松明を登るのはかなり不安定なので、途中で落ちてしまうこともあるそうです。
日本三大火祭り「松明あかし」