長崎のお盆といえば「精霊流し」どんな行事?交通規制の予定は?
長崎で行われるお盆の伝統行事の精霊流しは「しょうろうながし」と読み、初盆(なくなった方のはじめてのお盆)を迎えた遺族が行う行事となっています。
お盆といえばご先祖様をお迎えし8月15日に再び極楽浄土へ送り出す日本の風習ですが、精霊流しはそのために遺族が作った「精霊船」を流し場に運ぶんですね。
長崎の精霊船は独特の飾り付けがあり、先端に突き出した「みよし」(水押しが転じた呼び名)などが飾られています。
長崎の精霊流しでは家紋などを描いた印灯籠がまず進み、次に鉦と呼ばれる楽器を打ち鳴らして歩きます。
その後ろに法被姿となった縁者が精霊船を引き、遺族が続く……というのが、精霊流しの姿なんですね。
ですから今年2023年の長崎の精霊流しは、もちろん8月15日(火)17時~21時終了(予定)に行われ、初盆を迎えた遺族が故人の霊を弔うために船を作り、街中を練り歩きます。
船も大小様々であり、飾り付けも故人の趣味にあわせたもの、また町内合同の船など様々な船を見かけることになります。
参照サイト:
精霊流し 2018年 長崎市
アクセス情報
令和5年の元船地区流し場は、元船北岸壁(ドラゴンプロムナード北側の岸壁)となります。
この行列の間は交通規制もあり、その年によるものの精霊流しは22時過ぎまでかかることも珍しくなく、基本的に車で動くことは厳しいかもしれません。
また精霊流しを見に来た方のための駐車場というものもありませんので、見に行きたい場合は出来るだけ公共交通機関を利用するようにしましょう!
イメージと違う!?さだまさしの精霊流しと実際の精霊流し
長崎での精霊流し……さだまさしの歌う「精霊流し」から受ける印象とはずいぶん違うと感じる方も多いと思います。
さだまさしの精霊流しはしっとりとした切ない雰囲気を感じ取れる、誰もが知る名曲ですよね。
しかし実際の長崎の精霊流しはこういった雰囲気は全くなく、むしろ長崎としてもトップクラスに「うるさい日」なんです。
精霊船も手のひらサイズを思い浮かべる方が多いと思いますがそんなことはなく、また川に流すのではなく長崎の道路を移動します。
精霊船にも派手な装飾がされてあることが多く、どちらかというと一般的なイメージに近いのは「神輿」なんですね。
更に長崎の精霊流しでは精霊船を押しながら楽器がチャンコンチャンコンと鳴り響き、それだけではなく大量の爆竹を鳴らして歩くんです。
これがまた大音量で、実は精霊流しを見に行く場合の必須アイテムとして「耳栓」「ハンカチ」が必要と言われるほどです。
精霊流しの日はコンビニなどでも耳栓が大々的に販売され、誰もが持っておかなければならないアイテムといった雰囲気です。
さだまさしの精霊流しから受けるようなしっとりとしたイメージではなく、お祭りの雰囲気も重ねたような、華やかな儀式なんですね。
ちなみに長崎ではお墓参りの際にも花火をするという風習があり、爆竹もここからはじまったものだと推測されます。
中国が起源の爆竹には「魔除け」の意味がありとにかく派手に使って打ち鳴らすのが良いとされているので、こちらが起源であり、影響が色濃く出ているという味方が一般的です。
そう考えるとさだまさしの精霊流しが広まったおかげでしっとりとした印象があるものの、精霊流しとは最初から派手な、お祭りの雰囲気もあるような儀式だったのですね。
精霊流し さだまさし Sada Masashi