土佐高知の夏といえばシットロト踊り!どんな行事?
「シットロト踊り」とだけ聞くとどのような行事なのかあまり想像がつきませんが、これは魚の供養と豊漁祈願のために、地元の漁師たちが室戸市の漁業ゆかりの場所を巡るものになります。
巡る場所はなんと30ヶ所近くの旧室戸町内の神社や仏閣になり、この独特の舞は県の無形民俗文化財にも指定されているんですね。
シットロト踊りの由来はいくつか説がありますが、一番知られている説は次のようなものになります。
それは300年前ほど前にいた奈良子という集落の地蔵堂の庵主が、日頃聞き慣れない唄を聞き、唄っていた僧に唄と踊りを伝授されたというものです。
僧の名前が「三蔵」であった、また逆に庵主の名前が「三蔵」であったなどとも言われていますが、これがシットロト踊りの元となりました。
他にも助けた人魚がお礼に唄と踊りを教えた、また三蔵という漁師が踊り始めたなど様々な説がありますが、いずれにしても目的は魚の供養、そして豊漁であることに間違いはありません。
シットロト踊りは元々旧暦の6月10日に行われています。
開催日:2023年7月27日(木)
時間:4:30~12:30頃
開催場所:高知県室戸市 旧室戸町内各所
シットロト踊りの混雑情報などはとくになく比較的ゆっくり見学できるお祭りではありますが、地元の方にとっては楽しみにしているお祭りでもあり、たくさんの方で賑わいます。
また装束行列であるため交通規制がかかることもありますので、見学に行く場合はできるだけ早めの行動、余裕のあるスケジュールを心がけておきましょう!
参照サイト:
300年続く、海に祈りを捧げる踊り「シットロト踊り」 日本財団 海と日本PROJECT in 高知県 2018 #11
シットロト踊りの「シットロト」とはどんな意味?どんな踊り?
シットロト踊りとはなんとも不思議な名称ですが、これは唄に出てくる「シトロ」に由来していると言われています。
「シトロ」とは踊りに使われる紙の房を飾り付けた竹棒のことを指し、現在ではこれは日の丸の扇に変化しています。
シットロト踊り
シットロト踊りは風流と呼ばれる芸能のひとつ(風流=趣向を凝らした衣装を纏って踊ったり唄ったりすることで神に祈る神事)と言われています。
シットロト踊りは鉦・太鼓・音頭とりを中心とし、踊り手がその周りに円を作って扇子を開閉しながら踊ります。
決して派手な踊りではなく大きな変化もなしに続けられるお祭りですが、豊漁祈願などだけではなく魚への供養もあると考えると当然のことにも思えますね。
またシットロト踊りは早くから行われるのが毎年のことで、朝はなんと4時半ころからはじまります。
それでも踊りがすべて終わる夕方頃までは漁に出てはいけないというルールもあり、たくさんの箇所を巡る大変さも感じられますね。
シットロト踊りは豊漁や魚の供養のために地元の漁師が踊るものなので、見ていると踊ってみたいと思われるかもしれませんが、厳粛な気持ちを持って見学するようにしましょう。