妊婦で花粉症だけど、薬は飲んでもいいの?
現在、日本人の約20%が花粉症患者といわれており、花粉症の妊婦さんも多いものの、治療に苦労することが少なくありません。
特に、妊娠4週5日から妊娠7週末まで(絶対過敏時期)は赤ちゃんの原型である胚は非常に敏感です。
薬は細心の注意をして使用するべきです。
妊娠中は使える薬が限られてくるため、点鼻、点眼などによる局所の治療が主体になります。
(注:自己判断で市販の点鼻薬や目薬を使用することはおすすめできません。まずは鼻の正確な診察のできる耳鼻咽喉科専門医に相談し、アドバイスや治療を受けることをおすすめします。)
抗アレルギー(抗ヒスタミン)剤は妊婦さんに対する安全性が確立されていないので、妊娠初期の段階では内服薬の使用は避けるようにアドバイスされることが多いようです。
代替として、漢方薬の小青竜湯(しょうせいりゅうとう)を用いることもあります。
これは、気管支拡張作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用などが認められている漢方薬です。
妊婦の花粉症治療は、症状、アレルギーの種類、妊娠週数を考えて選択することが特に重要となります。
普段以上に医師の判断が必要になると言えます。
そもそも妊婦さんは薬は飲んでもいいの? 漢方ならOKなの?
妊娠中に服用を避けるべき薬剤はいくつかありますので、これから妊娠を考えている人や妊娠が分かった人は、できるだけ早くに主治医と服用薬について相談しましょう。
妊婦にとってリスクがある薬剤であっても、特に何かの病気があってその治療のために必要であれば、自己判断で薬を中断してしまうとかえって母体にも赤ちゃんにも危険を及ぼすことがあります。
もともとの病気のコントロールすることが妊娠の維持には重要です。
複数の薬を用いている人は種類を減らしたり,より安全性の高いものに変更するなどの工夫をすることで,危険性を減らすことができます。
参照:日本産婦人科医会
また、漢方薬についてですが、一般的には漢方薬には“副作用がなくて安全”というイメージがあり妊娠中のトラブルに好んで使われます。
2000年以上の歴史による淘汰を受けてきた薬であるために有効性と安全性の高いものが生き残り、多くの漢方薬が妊婦、胎児に対して比較的安全と考えられています。
最近では産科領域で用いられる漢方薬も他の分野と同じく西洋医学的な裏付けが数多くなされつつあり、幅広く用いられています。
とはいえ、主治医に相談の上、慎重に用いるようにしましょう。