そもそもノロウイルスとは? 潜伏期間は?
ノロウイルスに関する概要をまとめます。
○人の小腸粘膜で増殖するウイルス
○主に11月から3月にかけて多く見られる
○潜伏期は1日から3日
○感染すると胃腸炎をひき起こす。症状は吐気・嘔吐や下痢、腹痛など発熱は軽度で、多くは1日から2日で改善する
○感染力のとても強いウイルスで、保育園や高齢者施設など集団生活の場では集団発生を引き起こしやすい
感染経路は主に3つです。
(1)人から人への感染
ノロウイルス感染者の吐物・便の中にノロウイルスが含まれています。ウイルウスが手などについて口から感染する場合や吐物の飛沫から感染する場合があります。
(2)人から食品、そして食品から人への感染
食品取扱者の手を介してウイルスが食品につき、それを食べて感染することがあります。
(3)食品から人への感染
生や中心部の加熱が不十分なカキなど、二枚貝を生で食べることによって感染します
参照:東京都福祉保健局 東京都多摩小平保健所
2度と経験したくない!!と誰もが思う、ノロウイルスの恐怖の威力とは?
ノロウイルスに感染すると、ひどい嘔吐や下痢の症状が1~2日間ほど現れます。
ノロウイルスを実際に体験した方の、重い症状の発生例を見て見ましょう。
4才 女児の場合
1日目深夜に4度嘔吐しました。診察を受けると感染性胃腸炎と診断されました。
水はペットボトルのキャップほどを、小分けに時間を空けて与えると教わりました。
2日目の朝から、40℃の発熱があり、ほぼ意識がない状態が丸1日続きました。
何も口にできないので点滴を。
しかし、3日目には嘘のように回復。
アレルギーや喘息持ちで、病弱な娘ですが、今までの病気の中で一番辛そうで、今後の予防を考えさせられました。
30代 女性の場合
起床の際に起き上がれないほどの吐き気・嘔吐・腹痛により個人病院にかかり、検査と触診により総合病院に紹介状を出されました。
そのままタクシーで向かった総合病院では、待合室の長いすから動けず、待ち時間の間に簡易ベッドで寝かされ、そこで採血と点滴を行いました。
検査の後、そのまま入院することなりました。
入院してからは、点滴でした。
嘔吐が激しかったため、輸液にブドウ糖や痛み止め等の薬剤の混ざったものを入れ続け、それを口から吐き出すことを約2日ほど続けました。
また、ノロウイルスの感染が死亡の直接的な原因になることは少ないものの、間接的原因となってしまう例もあるようです。
特にお年寄りは要注意です。
次の事象をご覧ください。
93歳 女性の場合
「2月12日夜から14日にかけて、施設の入所者、職員に下痢・嘔吐症状を呈しているものがいる。」と保健所へ連絡が入った。
同日、保健所職員が施設を訪問し、聞き取り調査を実施。
2月15日(火曜日)、3名の患者から採取した検体のうち2検体からノロウイルスを検出。
2月16日(水曜日)、当該施設から「本日、嘔吐した入所者が誤嚥性肺炎で入院した」との連絡が保健所に入った。
2月17日(木曜日)午前9時、当該施設より「入院中の患者が2月17日午前1時58分に死亡した」との連絡を受けた。
医師の診断によると、直接死因は肺炎、影響を及ぼした疾病はノロウイルスによる急性胃腸炎であった。