プールの塩素、そもそもなんのため?
不特定多数の人が利用するプールでは、水質を保って「プール熱」などの感染症を予防するために、塩素を溶かしています。
「プール熱」は、夏を中心に流行する急性のウイルス感染症で、塩素濃度の管理が不十分なプールで感染することが多いため、その名前がついています。
実はプールの塩素の量は、厚労省の「遊泳用プールの衛生基準」、文科省の「水泳プールに係る学校環境 衛生基準」などの条例によって塩素濃度が義務付けられているのです。
条例で定められている塩素濃度は、遊泳用、学校プールどちらも0.4mg/ℓ~1.0mg/ℓです。
水道水の塩素濃度は0.1mg/ℓ ~1mg/ℓなので、プール用塩素のほうが少しだけ塩分濃度が高いですが、それほど違いがないようです。
その塩素がお肌の表面に活性酸素を発生させます。
この活性酸素がお肌にダメージを与えてしまい、肌荒れの原因になるのです。
ただし、自宅で水遊びができる子供用プールは、同じ水のまま何日も使うことはありませんので、塩素消毒の必要はありません。
プールの塩素で肌が荒れることってあるの?
長く水に浸かったお肌は、角質が豆腐のように柔らかく、傷つきやすくてはがれやすい状態になっているそうです。
アトピーなどの敏感肌や乾燥肌の場合、プールの塩素の刺激をダイレクトに受けてしまいます。
まれにプールに入ってからにきび肌が改善したという声も聞きますが、塩素がにきびの元のアクネ菌を殺菌してくれているとも考えられますが、逆ににきびが出来やすくなったとう人もいます。
また、プールの塩素は思っている以上に皮膚から体に吸収されてしまうようです。
今までに一度もプールの水を飲み込んだことがない人は、恐らくいないと思いますが、もしも誤って飲んでしまった場合でも、水質基準によって管理されているはずなので、そんなに心配しなくても大丈夫です。
しかし、塩素消毒によって、多くの病原体は死滅していても、中にはしぶとい病原菌のいるようで、それによってまれに下痢などになってしまう場合もあるようですね。