精神安定剤ってどんな薬?どんな時にどこで処方される?
まずは、「精神安定剤」がどんな薬なのか見ていきましょう。
そもそも、「精神安定剤」と聞くと、うつ病やパニック障害の人が服用するものだと思う人もいるんじゃないでしょうか?
なんだか、強い薬で怖いイメージを持つ人もいることでしょう。
でも、精神安定剤は結構、身近なものなんですよ。
なぜなら、精神安定剤は筋肉などの緊張を緩和させて、不安や緊張、イライラを軽減してくれるものなので、胃カメラの際に出される薬でもあります。
一般的に精神安定剤が処方されるのは、医師が神経症と判断した場合です。
神経症とは、心理的要因(ストレス)によって不安が生じ、心身の機能障害が起こってしまう状態のことです。ノイローゼと言われることもありますし、パニック障害やヒステリー、恐怖症、強迫神経症などの総称として使用されることもあります。
神経症とうつ病は全く違う病気
うつ病と似たものと勘違いされることもありますが、全く違う病気であり、治療法も違うので、医師でも診断には慎重になるそうです。
神経症の場合は、カウンセリングが主で、投薬はサブとなりますが、うつ病は投薬治療が主となります。
ちなみに、うつ病と診断された場合は、抗うつ薬が処方されます。
しかし、うつ病患者の中には、不安のために体がこわばり、身体的不調を訴えるケースも多いため、精神安定剤も処方されることが多いのです。
精神安定剤の処方を受けるには?
精神安定剤は、脳に作用する薬物であるために、医師の処方が必要となります。
場所ですが精神科や心療内科だけじゃなく、産婦人科や内科などでも相談すれば処方してくれます。
精神安定剤の種類、具体的な名前は?
精神安定剤の種類には、大きく分けて2種類あります。
マイナートランキライザーとメジャートランキライザーです。
カタカナでなんだか難しいと思うかもしれませんが、一般的に精神安定剤と言えばマイナートランキライザーを指していることが多く、別名「抗不安薬」とも呼ばれています。
マイナートランキライザーとメジャートランキライザーの違い
マイナートランキライザーは、軽度の不安状態からの緩和や気分を穏やかに落ち着かせてくれる効果があります。
そのため、神経症やうつ病、心身症の人に処方されます。
しかし、副作用として眠気が出てくることも多いので、使用には注意が必要です。
一方、メジャートランキライザーは、総合失調症やアルコール依存症の人に処方されることが多いもので、別名「抗精神病薬」と呼ばれています。
マイナートランキライザーでは賄えない極度の不安状態を解消することができ、興奮などの神経を遮断することができるため、メジャーの方が強い薬となります。
一般的なマイナートランキライザーの種類いろいろ
ここでは、いくつか一般的なマイナートランキライザーである抗不安薬についてご紹介します。
まず、最も日本でポピュラーなのが「デパス」です。
副作用が少なく安全性が高く、穏やかな作用と筋肉の緊張をとる作用があるため、精神科や心療内科だけじゃなく、幅広い医療現場で使用されている薬です。
ただ、ふらついたり、眠気が生じるなどの副作用がある場合があるので服用には注意してください。
また、デパスと同じ製造元の薬で、「リーゼ」があります。
デパスよりも弱い薬であり、強い副作用はないとされています。
緊張や不安を和らげて、気持ちを落ち着かせてくれますよ。
「コレミナール」もデパスやリーゼのように作用時間が短く作用も弱い薬として知られています。
一方で、作用が強く作用時間も長い薬として、「レキソタン」や「セパゾン」、「レスタス」があります。
効果は期待できますが、薬からの離脱が難しくなるケースもあるので、これらの薬の使用には注意してください。
中程度の薬として、「セルシン」、「メイラックス」、「ホリゾン」などがあります。